JASMINEて何?

Nano-JASMINE

JASMINE基本仕様

JASMINEデザインの変遷

小型版JASMINE仕様(2013年4月現在)

プロジェクト名

JASMINE(Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration)(赤外線位置天文観測衛星)

開発機関

国立天文台、JAXA、京都大学のメンバーを中心とし、その他の研究所、大学のメンバーからも協力してもらっている。

目的

近赤外線(HW-band:1.11.7μ m)によるアストロメトリ(位置天文)観測を行ない、天の川バルジ領域の約2万個の星の天球上での位置、年周視差(星までの距離)、固有運動(固有運動とは、視線速度に垂直方向の横断速度に対応するもので、天球上を星が単位時間あたりに動く角速度)を測定する。 この情報により、星の3 次元的な位置と、2次元方向の運動速度という天文学のさまざまな分野(特に銀河系バルジの進化、恒星進化などの恒星物理学、星形成史など)で重要な情報となる基本情報を得ることが出来るため、JASMINE では観測データをカタログとして公開し提供する。 さらに、連星系での伴星や惑星による恒星運動のふらつきも検出できる場合があり、連星系や惑星系の研究に役立つ情報も提供できる。 また、重力レンズ効果による恒星の位置変化という位置天文的重力レンズ効果を検出することが出来る場合もあり、重力レンズ天体の解明等のサイエンスにも応用可能である。 さらに、この効果により一般相対論の高精度な検証に用いることも可能となる。

仕様概要

数値は暫定的なもので、最終決定ではありません。

位置天文観測用の波長HW-band(1.4μを中心に1.1μ1.7μの波長範囲※1
E01000Jy(詳細要検討)
位置天文観測精度10μ秒角@HW=11.5※2
17μ秒角@HW=12.5
測定しない(HW>12.5)
観測領域銀河バルジ方向の1.5°×1.5°領域 
観測される星の数2万個
検出器数1×1検出器
読み出しノイズ30e-(Fowler sampling)
読み出し時間2.6秒
検出器pixel数4096×4096
ピクセルサイズ10μ
光学系コルシュ(3枚鏡)改良光学系
望遠鏡口径30cm
内径比0.35
焦点距離3.86m(F12, Λ/D=1.8pixelで決める) 
スループット0.7
視野サイズ0.61°×0.61°撮像
撮像時間7.1秒(9等でサチル)
撮像精度2.4mas(光子分散係数0.5として決める)
星像サイズ5×511×11
RW0.63
指向擾乱300mas/s
波面誤差175nm(0.125Λ)
小フレームサイズ視野と同じ小フレーム
小フレーム/撮像16回20回
小フレーム精度1mas
マヌーバ+静定時間30秒
短期運用デューティー100%
大フレームサイズ1.5°×1.5°大フレーム
隣接する小フレームの間隔(視野あたり)0.5
小フレーム数/大フレーム4×4
大フレーム精度0.5mas
大フレーム構築時間45分
大フレーム数約10000全サーベイ
長期運用デューティー50%
総ミッション時間2年3年

※1: 使用予定の検出器は、赤外線アレイ検出器、Teledyne社HAWAII-4RG

※2: 10μ秒角の年周視差精度では、10kpc以内の星の年周視差の誤差が10%以内となる。年周視差を距離(pc)に直す際に、年周視差の誤差が十数%を超えると幾つかのバイアス誤差が入り、距離が正しく求められなくなる。そのため、年周視差の誤差が10%以内でどこまで観測できるかということが目標基準となる。

2008年頃の仕様と比べて大きく変更したのは、 KWバンドの観測からHWバンドの観 測にしたところである。KWバンドでは機械式冷凍機を 使って検出器を80K程度まで冷却する必要があるので、放射冷却と電子冷 却の組み合わせで可能な180K程度で動作する検出器で観測可能な波長に あらためた。もう一点は、衛星擾乱を補正するためのTip Tilt鏡の搭載 が衛星バスの指向制御系との協調制御を必要とし、コスト要因となるこ とから、Tip Tilt鏡の使用をやめたことである。擾乱入りの画像から星 像中心を解析である程度の精度でもとめ、他の誤差バジェットを見直す ことで、大きな指向擾乱を許容した。