超小型衛星Nano-JASMINEをブラジルよりCyclone-4 ロケットで 打ち上げることに合意

東京大学、国立天文台、Alcantara Cyclone Space (アルカンタラ・サイクロ ン・スペース社:ブラジルとウクライナの合弁会社)、SDO Yuzhnoye(ユジノ エ社:所在ウクライナ)は、超小型衛星Nano-JASMINEをCyclone-4(サイクロ ン-4)ロケットによりブラジルから打ち上げる協力計画を記したMOU(覚書) に調印しました。4者は、ブラジルのアルカンタラ発射場からサイクロン-4ロ ケットの初号機を打ち上げる際に、ピギーバック衛星の一つとして Nano-JASMINEを搭載することに基本的に合意しました。

東京大学ISSL(中須賀研究室)と国立天文台JASMINE検討室は、京都大学大学 院理学研究科などと共同で赤外線位置天文衛星Nano-JASMINEの開発をすでに進 めています。Nano-JASMINEは、重量20kg、50cm立方の3軸制御衛星で、赤外線 で位置天文観測をすることが主なミッションです。この衛星は、近赤外線領域 で星の位置と速度の3次元地図を1ミリ秒角の精度で作成します。また、高精度 の姿勢制御(1秒角精度)や熱制御(0.1°精度)を含む新技術を実証すること もミッションです。

(C)SDO:Yuzhnoye
東京大学の中須賀教授は「我々は、非常にチャレンジングな科学的・工学的な ミッションを、20kgのナノ衛星で、また、非常に限られた予算で実現しようと している。」と述べています。Nano-JASMINEは、こういった低価格のナノ衛星 が意義のある宇宙科学ミッションを実現できることを実証し、宇宙開発および 宇宙利用に新しい道を開くことを目指しています。またこの打ち上げは、大学 の学生や研究者が自身の力でそのようなチャレンジングな衛星を作り、国際的 なチームを組んでブラジルからCyclone-4ロケットでこの衛星を打ち上げると いう、重要な教育機会を与えるものとも言えます。

打ち上げ会社であるAlcantara Cyclone Space Binational Company (アルカン タラ・サイクロン・スペース社) は、ウクライナとブラジル連邦共和国の間で、 サイクロン-4ロケットをアルカンタラ発射場から打ち上げる長期協定に基づい て設立された会社です。サイクロン-4ロケットは、地球低軌道(LEO) に 5,300kg、静止トランスファー軌道(GTO)に1,600kgのペイロードを投入できる ロケットで、2010年中旬に運用が開始され、ウクライナとブラジルの宇宙プロ グラムのペイロードの打ち上げ用に、また、商業的打ち上げに利用される予定 です。

Nano-JASMINEは、サイクロン-4ロケットで、2010年に太陽同期軌道に打ち上げ られる予定です。なお、アルカンタラ・サイクロン・スペース社およびユジノ エ社は、このロケットの初号機打ち上げを特別価格で商業的打ち上げにも供す るとも表明しています。
製造中のサイクロン-4ロケットの前での訪問チーム(2008年2月) (C)SDO:Yuzhnoye