JASMINE(Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration) (赤外線位置天文観測衛星)
国立天文台、JAXA、京都大学のメンバーを中心とし、その他の研究所、大学の メンバーからも協力してもらっている。
近赤外線(KW-band:2μ m)によるアストロメトリ(位置天文)観測 を行ない、天の川バルジ領域の約2万個の星の天球上での位置、年周視差(星ま での距離)、固有運動(固有運動とは、視線速度に垂直方向の横断速度に対応す るもので、天球上を星が単位時間あたりに動く角速度)を測定する。この情報に より、星の3 次元的な位置と、2次元方向の運動速度という天文学のさまざまな 分野(特に銀河系バルジの進化、恒星進化などの恒星物理学、星形成史など)で 重要な情報となる基本情報を得ることが出来るため、JASMINE では観測データ をカタログとして公開し提供する。さらに、連星系での伴星や惑星による恒星 運動のふらつきも検出できる場合があり、連星系や惑星系の研究に役立つ情報 も提供できる。また、重力レンズ効果による恒星の位置変化という位置天文的 重力レンズ効果を検出することが出来る場合もあり、重力レンズ天体の解明等 のサイエンスにも応用可能である。さらに、この効果により一般相対論の高精 度な検証に用いることも可能となる。
数値は暫定的なもので、最終決定ではありません。
| 位置天文観測用の波長 | KW-band(2.0μを中心に1.5μ〜2.5μの波長範囲 | ※1 |
| E0〜740Jy(詳細要検討) | ||
| 位置天文観測精度 | 10μ秒角@KW=12 | ※2 |
| 17μ秒角@KW=13 | ||
| 28μ秒角@KW=14 | ||
| 測定しない(KW>14) | ||
| 観測領域 | 銀河バルジ方向の0.87°×3.0°領域 | |
| 観測される星の数 | 10万個(精度良く観測できる星は3万個) | |
| 検出器数 | 2×2 | 検出器 |
| 読み出しノイズ | 8e-(Fowler sampling) | |
| 読み出し時間 | 0.125秒 | |
| 検出器pixel数 | 2048×2048 | |
| ピクセルサイズ | 18μ | |
| 光学系 | コルシュ(3枚鏡)改良 | 光学系 |
| 望遠鏡口径 | 30cm | |
| 内径比 | 0.35 | |
| 焦点距離 | 4.85m(F=18, λ/D=1.8pixelで決める) | |
| スループット | 0.7 | |
| 視野サイズ | 0.87°×0.87° | 撮像 |
| 撮像時間 | 5.6秒(8.3等でサチル) | |
| 撮像精度 | 6.6mas(光子分散係数0.5として決める) | |
| 星像サイズ | 5×5 | |
| RW | 0.63 | |
| 指向擾乱 | 46mas/s | |
| 波面誤差 | 219nm(0.11λ) | |
| 小フレームサイズ | 視野と同じ | 小フレーム |
| 小フレーム/撮像 | 8回 | |
| 小フレーム精度 | 2.5mas | |
| マヌーバ+静定時間 | 8秒 | |
| 短期運用デューティー | 100% | |
| 大フレームサイズ | 0.87°×3.9° | 大フレーム |
| 隣接する小フレームの間隔(視野あたり) | 0.5 | |
| 小フレーム数/大フレーム | 1×8 | |
| 大フレーム精度 | 2.3mas | |
| 大フレーム構築時間 | 7分 | |
| 大フレーム数 | 98000 | 全サーベイ |
| 長期運用デューティー | 75% | |
| 総ミッション時間 | 2年 |
※1: 使用予定の検出器は、赤外線アレイ検出器、Teledyne社HAWAII-2RG
※2: 10μ秒角の年周視差精度では、10kpc以内の星の年周視差の誤差が10% 以内となる。年周視差を距離(pc)に直す際に、年周視差の誤差が十数%を超え ると幾つかのバイアス誤差が入り、距離が正しく求められなくなる。そのため、 年周視差の誤差が10%以内でどこまで観測できるかということが目標基準とな る。